立待岬で

 早朝、小雨ふる音が聞こえた。そこでテニスと温泉、両方の支度をして出かける事にした。着いてみるとコートはやはり軟弱状態で使用はムリ、で谷地頭へと。しかしあろう事か駐車場にはロープが張られ定休日の札が下がっていた。そこでパトロール範囲を少々拡大、立待岬へと向かった。海峡の雲は厚く、少し風もある。海面には風の道が走っていたけれど、それでも一輪のハマナスが函館の初夏を告げていた。
 海を背にした駐車場には先客がいた。車は宮城ナンバーで、車内に鍋釜や調味料瓶などが所狭しと並んでいる。助手席は荷物置き場で、どうやら一人旅の様子。近づくと白髪男性がペットボトル片手に歯磨きしてた。
 一歩近づき「一人旅?」と訊ねたら「旅は一人に限るさ!」という。聞けば、車中泊で三ヶ月、海外をザック担いで三ヶ月、残りを自宅で過ごす「年金生活者」だと仰る。妻は短歌に夢中だし、誰にも当てにされない自由を楽しんでるワケで、今回は北海道の朝日と夕日を楽しむための旅...なのだそうだ。

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