北海道十勝の生まれだ。広大な十勝平野のほぼ真ん中にある音更町である。夏には30°c、そして厳冬期にはマイナス30°cにまでなる。とりわけこの寒さだが放射冷却現象と呼ばれ、地上に漂っていた温度がすべて大気圏の彼方に吸い取られ、隣国ロシア産筋金入り寒気団と入れ替わることから起こるそうだ。こんな日、空には雲がなく地上には微風もない。空気は凍ったまま微動だにしないのだ。人や馬や羊までも空高く昇った太陽が凍った大気を弛めるまで、つまり午前中はそんな圧倒的寒気に囲まれながらじっと息を潜めて過ごすのである。しばれるねえ...などと挨拶し合いながら。
そんなわけで、故郷を離れて「たまらない寒さ」というのを感じたことはない。風土が育てた体質を実感し続けてきたものだが、しかし今朝の函館は寒かった。ようやく函館の風土に馴染んだというのか、とにかくとてもしばれるのを実感した。


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