あたたかいゆきのまち

 トンネルを抜けると雪国だった。しかしトンネルのこちらだって雪国なわけで車窓の景色などそれほど違わない。だが、青函トンネルのあちら青森には「ゆきのまち通信」という優れて好ましい地域誌があって、20年にわたり雪国であるアドバンテージを誇り発信し続けているのだ。降る雪を恨んだとて降るものは降るわけで、それならいっそその美しさ豊かさを引き出し語り合った方が良い。その志に溢れた刊行物のせいなのだが、トンネルを抜けたそこはとてもあたたかい雪国に思えるのである。
 全国から集まった1000編に及ぶ雪と幻想にまみれた二月だった。千人千通りの雪と幻想を目薬注しながら読んだ。それらを粗末な脳に詰め込み、津軽海峡線に乗って気持ちの良い人ばかりいるあたたかい雪国の編集室を訪ねてきたのである。
 終わった。N藤編集長が車で見送ってくれた。海峡を越える最終急行"はまなす"の独り占め座席に足を投げ出し今年も忘れず持たせてくれたハイネケンのよく冷えた暖かい心遣いで身も心もとろけて帰還した。
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コメント(3)

毎年恒例のこととはいえ、お疲れ様でした。
雪国を結ぶ通信の想いが、そこに住まう人ごと海路や鉄路で運ばれていることを思うと、間に横たわるしょっぱい激しい水の流れや、暗いトンネルを抜け出したときの優しさの感覚など、雪国という言葉だけでは物足りなさも感じる『青函』を想います。
今年の寒修行を締めくくり、まずは乾杯いたしましょう。 
ごぞんぢ拝

ごぞんぢ様
 寒修行…ギャラリーの一角でヒーターを背中にしてではありますが、しかし確かにその通りですね。雪雪雪そして幻想幻想幻想とただ一心不乱でありますから、これはただエピキュリアンの道を極めんとする店主日常とはまったく別世界なのでありました。
 実は昨晩Tムラ君と乾杯しました。Tムラ君が持参したごぞんぢ様のパンと山田牧場チーズが同席しておりました。酔った勢いで、店主はもう解脱した故、来年からはTムラ君の番だよと因果を含めたのでありますが、果たして彼が了解したかどうだったか記憶は朧…であります。

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