風もなく、薄日が差して、路上の圧雪がシャーベット状に溶けている。開店前に元町公園まで散策してみたのだが、道ゆく人の姿がない。ここだけかと思うけれど、しかし、昨日立ち寄った情報通の知人によれば「駅前、本町どこでも人影が消えたらしいよ...」らしい。
金融工学とか市場原理主義とか構造改革とか、とにかく何でもマネーに還元して詐術的に操った人々の罪深さをつらつら思いながら歩いていたら声がかかった。ipodを耳に、黒衣に身を包んで颯爽と近づいてきたのはTくん妹mちゃんだった。名前が変わり、あそこの赤い屋根の家に住んでますなどと仰りながらこれから函館山登山だという。10年も前だったか牛飼い青年との素敵な披露宴を思い出したけれど、無駄とか無意味は経済だけの話できっとまた新しい世界が開けるさ...と、mちゃんの背に向かってささやいた。


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