東京の知人がハリストス正教会修復工事に関するニュースを知らせてくれた。神田ニコライ堂近くのオフィスに勤務してるのだが、出勤前にいつも聞くNHKラジオでこのニュースを知ったという。いつも身近に眺めてたニコライ堂が、この冬函館を訪れて見たハリストス正教会と同門だったというわけで印象に残った様だ。店主にとっても、ご近所サンの話題が東京を経由して届いたわけで、たいへん新鮮なニュースだった。
今朝の北海道新聞にもこの話題が載っていた。カラー写真入りの大きな扱いで、9年ぶりの工事は、傷んだ漆喰壁、破損したガラス窓、すすで汚れた内部などを修復するものであり、特に7,8月はテントで覆われるが、しかし来館者の内部立ち入りは可能...とあった。
小雪がちらほら寒い朝、そんなわけで店主もデジカメ持参で取材に行ってきた。


前の改修からもう9年も経つんですね。
今年の秋の聖堂改修工事完了を楽しみにしております。
それと個人的には聖堂内に敷いてある花茣蓙が好きで、いつも無理なお願いをして絨毯を少しめくっていただいて、色あせてない部分を鑑賞しております(笑)
ニコライ堂も素敵ですが、例の花茣蓙に座ってイコンを鑑賞するのが、函館訪問の楽しみの一つです。
函館のハリストス正教会では、イコンを間近に見られるのですか?
神田ニコライ堂では、ここは美術館ではありません、と断られてしまいました。
結界があって、そこから先は信者であっても入れる人、入れない人がいるとのことでしたが…。
東京都下・まちだ様
花茣蓙ですか…さすがまちだサンは視点がデイープだ。昭和57だったかな、その時の大改修を間近で見ておりました。その時、文化庁技術担当官の麓さんにこの花茣蓙に関するレクチュアーを受けました。絨毯のしたから現れた花茣蓙はすっかり摩耗していたので再現することになったそうで、デザインはもちろんどの位置で固定していたかも忠実に再現します…と申しておりました。こうした仕事というのはまるで探偵ホームズのように観察と推理で成り立つものと感心したものです。
たびびと様
函館ハリストス正教会ですが、一般の内部参観も許されています。入り口で多少の献金が必要ですが、それも志ですから自分の財布に見合った程度のもの。そして聖堂内にあるイコンも自由に観覧する事が出来ます。もちろん山下りん作のものもあります。道立函館美術館学芸員・大下智一さんの著書”山下りん”の中では次のように記されています。…聖堂正面、縦三段、横九列のイコノスタスに架けられた三十枚のイコンは、すべてロシアから取り寄せたもの。では、函館正教会に残るりん(山下りん)のイコンはというと、まず<十二大祭図>と呼ばれる、その名のとおり十二枚組の小型のイコンと、ロシア皇帝に献呈したものと同じ図柄の<復活>のイコン、そして半身像の<ハリストス>と<至聖生神女(マリア)>のイコンがある…。しかし献金するときに訊けば、どれが山下りんの作か教えてくれます。
店主さま
ありがとうございます。イコンは、信者になってうんと出世しないと見られないものかと思っていました。山下りんの名前はニコライ堂では今まで、見ることも聞くこともなかったです。こちらでは忘れられているかもしれないですね。それが函館では生きているとは。それにしても、いろいろ知っていくと、日本とロシアの関係の深さに改めて驚きます。
たびびと様
長崎ならオランダで、神戸、横浜はアメリカやイギリス、そして函館はロシアでしょうか、都市の隠し味は…。店主は勝手にそう思いこんでおります。
店主様・たびびと様
こんにちは。
私はロシア正教会信徒のものです。
所属は北海道の北の果ての教会になります。
先日、機会があり37年振りにニコライ堂へ訪れました。
東京復活大聖堂教会・通称ニコライ堂は
1962年に国の重要文化財に指定されましてから、
山下りん作イコンも厳重保管体制になり、
一般の方、又信徒でも拝観は不可能になりました。
それ以前に拝観可能であったかどうかは、定かでありません。
北海道の信徒という事もあり、
その他のイコン(山下りん作)は、
東北~北海道に掛けての物しか拝観した事がありませんが、
文化財指定以外の教会には、普通に一般の方にも拝観可能であります。
その時は、蝋燭代金として心ばかしの御代を頂戴しております。
イコンは、教会信徒にとっての心の拠所として、
長い年月を掛け地域の人達と一緒に、大事にされてきました。
私は子供の頃から、教会に行くとイコンへ感謝の接吻をして育ちました。
これからも、大切にして行こうと思っています。
長文、誤字脱字ご容赦の程。
通りすがりにて失礼致します。
フィオピスティアさま
はじめまして。コメントを大変興味深く読ませていただきました。
無知なもので、興味本位な書き込みをしてしまい、もしやご信仰心を傷つけてしまったのではないかと案じております。
私は社会人学生でもあり、特に日露関係史を専攻しておりますが、不覚にも山下りんのことは存じ上げませんでした。正教会自体が実は函館を訪問して再発見したしだいです。東京下町に生まれ育ち、神田ニコライ堂は幼い頃からのなじみの場所だったのですが。神田駿河台周辺はここ10数年で急速に開発が進み、ニコライ堂はいつの間にか高層ビル群の中に埋没してしまいました。私の勤務するビルからも見下ろす位置にあり、いつから人は神のおわす場所を見下ろすようになったのだろうと畏れを感じます。
今では、スピード勝負の仕事の合間にふらりとニコライ堂を訪れ、ひと時の安息をいただきます。黄色いロウソクをお供えさせていただく時、ずっと自分は旅先で訪れる日本のお寺で同じことをしていたことに気づきます。昔から人というものは、洋の東西を問わず同じ行為をしているのですね。
店主さま
店主さまに先んじてのコメントをお許しくださいませ。
フィオピステイアさま・たびびとさま
様々な方々が至りませぬjirojiroジャンクションをお訪ねくださいます。そして、この様にたくさんの方からのメッセージが行き交うというのも、言ってみればこの教会の持つ見えない力なのかなとも思えてきます。叔父叔母や従兄弟、あるいは知人の陶芸家たちの冠婚葬祭などにも参加、そんなわけで親しくさせてもらっております。フィオピステイアさまやたびびと様の安息と同様、ギャラリー店主も疲れ…というほど働いてませんが、それでもやはり息抜きとか、あるいは神頼みという具合に足繁く出かけるのです。今日は少し冷たい風がふていますが、しかし教会境内の雪も消え去り、草花の芽吹きも間もなくかと思います。まだまだここには幾度も登場する事でしょうが、これからもお付き合いくださいますように。