2010年7月アーカイブ

 天にまします我らの神よ、というからにはきっと神は空高くに居住してるに違いない。それはそうと、昨日辺りから元町カトリック教会の修復工事が始まった。鐘楼を囲むように足場が組まれ、ヘルメットにニッカーボッカーという正装作業員の働く姿が見られる。見上げただけでもそこは遙かなる上空で、行きたいとは思わないが現場からの眺めは結構なものであろう。仕事に熱中してる最中に突然間近で鳴り出す鐘の音...というのを想像してみたが、それも結構驚く瞬間に違いあるまい。店主が一生懸命望遠で狙っていたら、そばで観光客と思しき夫婦が「アナタも撮っておけば...」などと会話するのが聞こえた。
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 第一回「元町ねこ通りマルシェ」が無事終了した。降雨予報もナンのソノ、良く晴れた函館元町の文字通り青空イベントでありました。いつも観光客が漫ろ歩くギャラリー前には手作り工芸品や古本にCD、生花、古着や天然酵母パン、自家焙煎コーヒー、漬け物などの小さくとも誇り高いショップがたくさん並び、たいへんハートウオームな雰囲気に満ちていた。
 ホンモノの山猫博士や、都市計画森下クンや言語学尚子サンなどなど知人友人の姿もお見受けした。結局彼らをダシに、めめ子さんとこの炎天下缶ビールを三缶ほど飲んだ店主は幸福な気分であります。
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 200年もの昔、少女井上伝によって考案されたのが久留米絣。その繊細な織り柄は長く人々を魅了してきました。素材は木綿ですが、美しい染め織りはまたたいへん堅牢で、品質は使い込むほどに風格を増します。古民家から味噌醤油まで衣食住は似て非なる安易な代替え品に取って代わられたけれど、しかし藍木野の作品は久留米絣を和服から洋服に仕立てる事で復活させた稀に見る成功例です。
 藍木野作品には幾つか仕掛けがあります。どれもが美しく堅牢なものを末長く使って貰うための工夫です。一つは丈夫な仕立てであり、も一つは流行廃れの無いベーシックなデザインとフリーサイズである事です。堅牢な生地を永く持たせるための仕立ての良さは、社会と法の関係であり、函館の優れた歴史的景観と、それをを守る景観条例(もちろん冗談です)と言いたいところ。
 もひとつのベーシックなデザインとフリーサイズですが、流行廃れが無く誰がどこでいつ着ても美しい究極の衣服、何だかギリシャやローマの女神たちの纏った衣が思い出されます。人の体が一定サイズを保持する事はなかなか難しく、クロゼットにしまい込まれた洋服の「無念さ」は多くの人が経験してるはずです。しかしキモノというのはフリーサイズが持ち味で、余程のことが無い限り一生ものです。そうした遺伝子に支えられてるのが藍木野の久留米絣で、使い込むほどに馴染み愛着が増すありがたい洋服なのです。
「久留米絣工房 藍木野 創作衣展」
7月23日から28日まで
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 ギャラリー前のイングリッシュガーデン...といっても薔薇一本とラベンダー一株だけだが...今そのラベンダーが見事だ。どこから来るのかひらひら白い蝶が二三匹舞っていて、久しぶりに心和む。しかし、そう和んでばかりいられないのが昨今の元町情勢、言わずと知れた二十間坂のカニ店騒動である。
 一昨日、キタムラ社長が記者会見、来月20日までに「二十間坂女神像」を撤去すると発表したそうだ。都市景観課からも解決したむねの報告があり、これに関してはウソ偽りや間違いではなかろう。行政に提出した六団体一個人の陳情、要望書でも全てこの像の撤去を求めてるし、行政も景観審議会の答申を受けて撤去を指導してたわけだから何を今さらという感。新聞報道では函館観光大使の演歌歌手のアドバイスもあって撤去を決めたとある。
 もう一つのきっかけは「函館の歴史的風土を守る会」が話し合いに応じた点だ。北村社長は撤去条件に住民との話し合いを求めていたわけで、行政側の強い要請もあったのだろう、それに会長と事務局長が応じたのである。
 これら陳情や要望は全て市長や市議会あてに提出されたものである。要約すれば、景観条例がありながら何故このような事態に立ち至ったのかであり、市民の豊かな歴史的環境に誇りを持って住み続ける権利はどこに消えたのかを問うものだ。返答をもらうとすれば市民代表の市議会議員と、こうした事態を招いた行政責任者としての市長なのである。確信犯的行為にも思えるけれど、いわば北村社長だってある意味被害者だろう、そんな被害者同士を話し合いのテーブルに座らせて解決を図るというのは行政の責任逃れと言って良い。
 聞くところによれば、歴風会は北村社長に問い詰められ「汚水や騒音などに関する要望は周辺住民から聞いた話をそのまま要望書にしただけで、実際に検分したわけではない...」と返答したという。何の理論武装もせず、行政の依頼があったからと、北村社長の言い訳を聞かされに出かけたという構図だ。
 この像に関しては業者にも落ち度があった。高い工作物設置には届け出が必要なのだがそれを怠っていた。そこを攻められたら社長も辛いところ。だが像など移動可能だし、設置費用など知れたものだ。しかし事の本質は建物デザインや看板の質にあり、こうしたより重要な問題は行政の指導の結果生まれたものだ。あろう事か200万円の奨励金まで貰っているわけで、いわば行政のお墨付きを戴いてるのである。であるからして行政は像の撤去に拘った...というより、これしか出来なかったというのが本音であろう。像は撤去させたし、環境問題に関してはその事実があれば随時指導する。建築物や看板に関しては景観条例の見直しを含めて今後の課題として...というのが幕引きのシナリオに違いない。
 景観を作るのに10年かかる。そして風景に育つのに100年、風土となるには1000年かかるという。しかし、こうして函館が世界に誇る唯一の資産が消えて行くのである。だが諦めてはならないわけで、まだ方法はいろいろある。みなさんにも協力いただきたいと切に願うが、まずは下記のアドレスにアクセスして戴きたい。
http://www.shomei.tv/project-1574.html
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 ロープウエイ乗り場からヨハネ教会に通じる道路と、それに平行するいるかビルから公会堂へ向かう観光ルートがある。その二つの道を結ぶ小路があって、ここを「元町ねこ通り」と呼ぶらしい。ギャラリーからも徒歩10秒ほどの至近距離で、たしかに姿美しいネコを目撃する。小路は山麓を縦に通じるせいで高低差があり、石段も存在したりしてなかなか魅力的である。
 発案者はここに編集室を持つタウン誌"街"のスタッフだが、この小路を舞台に近所の骨董店主めめ子さんやアフリカ太鼓奏者たちなどが集まり、"ねこ通りマルシェ"なるものが企画され実行の運びとなった。手作りの魅力的なポスターには野菜や古本、珈琲などの販売が記され、ギャラリーにも参加要請があってただいま鋭意研究中だ。
 期日は今月25日11時頃からで、雨天中止と潔い。インターネットを利用したバーチャル市場がでかい顔してる昨今だが、やはり市場は顔の見える関係が基本。この地区を舞台に成功を収めてる例の"バル街"だって街とヒトが主人公だ。魅力的な場を発見し、それを自ら楽しむ市場"元町ねこ通り"にいらっしゃい。
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 「ごうろくわん」と読みます。能登半島の旧柳田村で作られ使用されていた古椀。記録がないためその来歴は不詳だが、一説には室町時代には存在していたらしい。柳田村は木地師の里とも言われ木地挽きをしていたロクロ谷と呼ばれる場所が現在も6カ所点在している。かってケヤキの良材に恵まれ、漆掻きを生業にする人々の集落や、多田羅、ベンガラ採取地、また炭焼きやダコ麻織、柿渋作りなどが行われていた事から合鹿椀が誕生する下地は十分に整っていた。合鹿椀は木地師と塗り師が分業化する以前の古い形態のなかで、古代末期の院政期に出現した柿渋下地漆器の伝統を受け継ぎながら、布着せがあるのもその大きな特徴で、柳田村で自然発生的に作られ使用されていた世界に類例の少ない漆の古椀である。(参考・東京国立博物館 荒川浩和氏監修「図録・合鹿椀」)

 合鹿椀最後の木地師・三郎右衛門が昭和5年に没し、以後、柳田村での合鹿椀の制作は途絶えていました。木彫刻の仕事をしていた大宮さんは、二十数年前柳田村に移り住み、合鹿椀と出会いその原初的な力強さに惹かれ、自分なりに研究試作を続けてきました。この度、この古くて新しい合鹿椀の復興を目指し、古い技法を踏襲しつつ、塗りを新たに合鹿塗りと名付け、古い合鹿椀を復元制作した次第です。
「大宮静時の合鹿椀 展」
7月15日から20日まで
10:00open /19:00close
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 何度も書いてきたけれど、毎週月曜日我々のテニスはお休みだ。先週は好天続きで、結局店主はほぼ休み無しの出動、さすがに昨日の三試合目になると両膝に痛みが出て疲労は極みを感じた。話は唐突かつ別次元だが、地球の裏側ウインブルドンではナダルがベルデイハを破って優勝した。若いナダルも昨シーズンは膝のケガで休場だったはず、湯治で克服乗り越えたとも思われないが彼の復活も祝い谷地頭市営温泉へと出かけた。そしてこれも型にはまった感だが、湯上がり汗たらたらで立待岬に向かった。
 岬は霧に包まれていた。海と陸の温度差で霧は発生するのだが、海峡からやさしく吹く風にのって潮騒やカモメの鳴き声やどこやらに向かうらしい船の霧笛が流れてくる。いつものベンチに座し、汗が静かに収まるのを感じ函館に住む幸福感にひたる。ベンチに座れば正面が津軽海峡、しかし今朝は深い霧、何も写らないので今日はその背後をご紹介する。こんな日は快晴で、気温も上昇するに違いない。
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