これは水曜日のこと、久しぶりの定休日で椴法華方面ドライブを楽しんできた。山の彼方の空遠くに行ってきたわけである。
鉄山から蛾眉野経由、尻岸内をまわって椴法華に着いた。ちょうど昼時とあって川Gさんのレストランsurfsideで食事となる。掃除の行き届いた店内には川Gさんの趣味の良さを窺わせる宝物が並んでいて、もちろんギャラリー店主長年にわたる販売活動の成果もそこここに見られるが、今回は新しく年代物蛇腹式の大型写真機が仲間入りしてた。仔細に観察するとレンズにはカールツアイスの文字が読み取れ、聞けば友人からの贈り物だとか。なんとも良い友人をお持ちである事か。
広い窓越しにはチョーシビーチを眺められる。そこではウイークデーの真昼というのに、若者達が優雅に波乗りを楽しんでる。30年ほど前開催された北海道サーフィン大会を思い出したが、この眺めこそ彼が「椴法華を北海道の湘南へ!」と長年心血注いで育ててきた風景ではないか。これまた何とも羨ましい。
ジャズカレーで満腹し、次なる目的地の縄文交流センターに向かう。この1日にオープンしたばかりの施設で、この地出土の土偶が国宝指定された事から具体化したもの。例の合併特例債を使ったもので事業費は17億円、主体者である市民としてしっかり見ておかねばというわけだ。
縄文には誰でもココロ惹かれる。科学や技術や金融工学など、進化に次ぐ進化を遂げ、なんとも不安に満ちた現代に生きるヒトにとり縄文時代は神話の世界だ。悪事を重ねた罪人が、処刑場に引かれ行く時に思い出す母の胸で眠った幼き日々の追想に近いかもしれない。だが、残念ながらこの交流センターにはそうした配慮が欠けていた。追想して逃避する事の出来る縄文ではなくて、縄文の欠片を現代に持ち出して展示しただけの施設でしかなかった。コンクリート打ちっぱなし建物はそれなりの工夫だろうが、しかし立地が悪い。広い駐車場を備え、道の駅付設のそれは延伸工事されるバイパスを想定した営業本意の魂胆が透けて見えるのだ。なぜ大船遺跡の一角に作らなかったのだろうか。こうした施設はそうした想像力を喚起する現場環境と一緒になってこそ価値が高まるのに...。そんなわけで、我々はUターンして大船遺跡、およびその近くの川Gさん推薦縄文温泉で気分直しして帰ってきた。
久しぶりの定休日は良い一日だった。だが少し気になる事がある。椴法華のsurfsideで川Gシェフのにこやかな出迎えを受けたが、少しの間に何だかとても太ってしまい、その上すっかり無口になっていた。声をかけても返事一つ返らないのだ。白衣姿はまあ良い、しかしその風貌といいあまりのお変わり様...。一体どうしたのだ?