2011年10月アーカイブ

 変わらずにいて欲しいと書いた。しかし変えずにいられないというのも事実で、われわれ庶民は、既得権に安住して邪魔物でしかない存在をたくさん見てきた。つまり、さっさと立ち去りその場を誰かに譲れ...という気分がそれである。何も変わらないというのも困る。自然な変化というのも必要だ、とは言えしかしこれがなかなか難しい。
 画像、いるかビル南側の紅葉進行中の桜。
DSC_6625.jpg


 午後5時、本日の定点観測はカトリック教会の正面画像。空には何だか怪しい黒雲漂ってるとはいえ、それ以外さしたるニュース性はない。身近にはそうそうサプライズなど起こるわけなどなく、変化がない事はそれまた結構な事だ。だいたい近頃起こる出来事など「あってほしくない」ことばかりではないか。だから、日夜願うのは「どうか何も起こりませんように」ばかりになる。
 保守主義者と言わば言え!である。こうした教会の周辺では変化などあって欲しくないとつくずく思う。
DSC_6613.jpg


 山麓など、斜面に家を建てる場合土地を水平にする必要がある。そのため擁壁を設け、切り土や盛り土で水平な土地造成を行う。斜度が緩い場合はさほどでないが、急傾斜地の場合、いささか問題が発生する。広い土地を確保するためには結構な高さの擁壁が必要になるのだ。しかし法的にこの擁壁には高さ規制というものがなく、原則無法状態なため往々にして眺望権にからんだ近隣紛争の元になる。高い石垣を巡らした白亜の天守閣なら感動もするが、函館山の山麓で市民がよき景観をわけあって仲良く居住するためには、擁壁に高さ制限がぜひとも必要というのがギャラリー店主の主張だ。
 画像は我らの愛する青柳町市民コートの擁壁。テニスコートも水平が絶対的条件。

DSC_6584.jpg

 函館から走行およそ2時間ほど、日本海に面して小さな乙部町というのがある。江差の隣町なのだが江差の知名度に隠れて目立たない。しかし字面のせいかなにかココロ惹かれるものもたしかにある。で、なにも初めてという訳じゃないが定休日ゆえ思い立って出かけてきた。
 途中の中山峠を挟んだあたりは、土方歳三率いる旧幕府軍と乙部に上陸して五稜郭に軍を進める新政府軍が闘った激戦地だ。だから、この辺りから切り出される大木には時折古びた弾丸がめり込んでたりするらしい。車窓を過ぎ行く末枯れの景色や、波たち騒ぐ日本海などがそんな強者たちの残した想いを静かに語りかけるのである。
 乙部港は意外に大きい。しかし停泊してる漁船は数えるほどで、これまた淋しげだ。でも海産物直売所前では開きホッケが円舞曲を踊っていた。帰って焼いて食べたが、しかしこれが驚くほどの美味。
DSC_6544.jpg

 「もみじ」を漢字変換すると「紅葉」と出る。すると赤くなったもみじは「紅葉した紅葉」となるナ、などと考えながら近隣散策する。今頃の季節ならさほどの違和感は無いけれど、しかし少し前なら「緑の紅葉」となってしまい、なんだか色盲色弱が思い浮かぶ。真っ赤な紅葉(こちらはモミジだ)も大層美しいものだが、しかし初夏一斉に芽吹く輝くばかりのモミジの若葉、それもまた確かに感動的に美しい。
 晩秋の、全ての葉が地上に降り敷かれて降雪を待つばかりのそんな一瞬が大好きという工芸家がいた。大病を患い、死の恐怖から生還した体験を持ち、その人生に対する過不足無い対峙の仕方はもちろんその作品にも十分表れていた。日野啓三"落葉 神の小さな庭で"にもそのあたりの気配が描かれてるが、大病の経験もなければ、切磋琢磨や苛烈な競い合いも知らずに人生のラストイニングに入ってしまった我が身を思えば、それは緑のままの立ち枯れであり、目眩を覚えるほど高揚する紅葉という最後のご褒美とは無縁なのかと無念でもある。
 画像はヨハネ教会の石積み擁壁を伝う紅葉した...これは蔦。
DSC_6514.jpg
 
 私たちの...、といっても所有は函館市なのだが、つまり我々が毎朝通いつめてるテニスコートのこれは最新画像だ。函館山登山道から少し入り込んだ位置にあり、木の間越しではあるが大森浜経由で津軽海峡を望み、見上げれば函館山山頂も至近距離にある。サーフェイスは今や絶滅危惧種のクレイコートで、練習前のライン引きと終了してからのブラシ掛けは当然、時折重い転圧ローラーを引っ張りコートを何往復も行ったり来たりの難行苦行というのもある。
 石積み擁壁というのも魅力の一つだ。しかし何と言っても周辺が野生の植物が豊富、野ブドウの宝庫であり、最近アケビの実を発見して驚喜したものだ。世界中にどれほどのテニスコートがあるか知れないが、とにかくこうした最高の環境で汗を流せることの幸せをつくずく感じる。
DSC_6478.jpg
 

 
 夜の帳がおりた函館、その南の空にひと際目立つ☆が見えた。きっと金星だ。英語ではヴィーナス。そして彗星がコメットで水星ならマーキュリー、マースが火星、ジュピターが木星で土星がサターンで...と、いつ何処で何のために覚えたのか忘れてしまったが英語読みだけは次々蘇る。都市の上空では当然だが、ここから確認出来るのはただひとつ金星と、あとは月くらい。たとえ煌めく星空が見えても、店主にはそれが一体なんという☆なのか殆どわからない。モンゴルではタクシーに乗って行き先を「あの☆の方角だ」と指差す、という話を聞いた事がある。船乗りも☆を頼りに大海原に乗り出すわけで、☆のありかを熟知してないと進むべき方向すら分からなくなる。GPSやナビゲーターがあるとはいえ、都市人のほとんどはいる場所もまた行くべき方向すら知らぬさすらい人でもある。
DSC_6445.jpg

 その名声全国にとどろく函館のレストラン・バスクだが、今年で創業30年になるという。昨夜その記念パーテイが挙行されたのだが、店主もお手伝いで参加してきた。これまた函館の誇り"こなひき小屋"のオヤカタ様のシナリオ準備は万全、それぞれ個性に見合った役割が割り振られて店主は盲目のオルゴール弾き。ヨレヨレコートに黒眼鏡といういでたちで出向いたけれど、現地調達印度製ピカピカ上着を着用してはしゃぎ回ってしまい、お手伝いのつもりが結局お客様になってしまった。深く反省しながら大三坂をよろめきながら帰宅したのが深夜だった。
 画像は本日午後その大三坂を下から見上げたもので、役立たずだった反省が二日酔いのように蘇ってきた。快晴無風のインデイアンサマーで、たくさんの雪虫が飛び交っておりました。
DSC_6373.jpg

 吹く風に雪の気配が混じっててそろそろ晩秋だ。先日駒ヶ岳山麓の別荘暮らしの方に大沼の紅葉の様子を尋ねたら、「先日の強風で皆散ってしまい、もう丸裸ですわ」とのこと。深紅の縮緬に金箔を散らしたように見事な湖畔の佇まいを楽しみにしてたのに、ザンネン!
 で、今日はこれまた近隣で申し訳ないが、大三坂のナナカマドの撮れたてなどを。
DSC_6305.jpg

 函館生まれで遺愛女子校美術部出身、現在神戸在住の画家・鈴木邦江さんの作品展を開催中。素材は函館を中心に、大好きだというグランカナリア諸島の名もない集落などなど。油彩画とパステル画があるが、そのどちらからも明るい日差しの中、誰一人として人物は描かれないのにかかわらず何だか人々の優しく賑やかに生きる声が響き合う舞台みたいに描かれている。函館市民ならタウン誌「街」の表紙でもおなじみのはず。
「鈴木邦江/タウン誌街の原画と小品展」
10月25日まで10:00open 19:00close
水曜定休
DSC_6273.jpg

 これは水曜日のこと、久しぶりの定休日で椴法華方面ドライブを楽しんできた。山の彼方の空遠くに行ってきたわけである。
 鉄山から蛾眉野経由、尻岸内をまわって椴法華に着いた。ちょうど昼時とあって川Gさんのレストランsurfsideで食事となる。掃除の行き届いた店内には川Gさんの趣味の良さを窺わせる宝物が並んでいて、もちろんギャラリー店主長年にわたる販売活動の成果もそこここに見られるが、今回は新しく年代物蛇腹式の大型写真機が仲間入りしてた。仔細に観察するとレンズにはカールツアイスの文字が読み取れ、聞けば友人からの贈り物だとか。なんとも良い友人をお持ちである事か。
 広い窓越しにはチョーシビーチを眺められる。そこではウイークデーの真昼というのに、若者達が優雅に波乗りを楽しんでる。30年ほど前開催された北海道サーフィン大会を思い出したが、この眺めこそ彼が「椴法華を北海道の湘南へ!」と長年心血注いで育ててきた風景ではないか。これまた何とも羨ましい。
 ジャズカレーで満腹し、次なる目的地の縄文交流センターに向かう。この1日にオープンしたばかりの施設で、この地出土の土偶が国宝指定された事から具体化したもの。例の合併特例債を使ったもので事業費は17億円、主体者である市民としてしっかり見ておかねばというわけだ。
 縄文には誰でもココロ惹かれる。科学や技術や金融工学など、進化に次ぐ進化を遂げ、なんとも不安に満ちた現代に生きるヒトにとり縄文時代は神話の世界だ。悪事を重ねた罪人が、処刑場に引かれ行く時に思い出す母の胸で眠った幼き日々の追想に近いかもしれない。だが、残念ながらこの交流センターにはそうした配慮が欠けていた。追想して逃避する事の出来る縄文ではなくて、縄文の欠片を現代に持ち出して展示しただけの施設でしかなかった。コンクリート打ちっぱなし建物はそれなりの工夫だろうが、しかし立地が悪い。広い駐車場を備え、道の駅付設のそれは延伸工事されるバイパスを想定した営業本意の魂胆が透けて見えるのだ。なぜ大船遺跡の一角に作らなかったのだろうか。こうした施設はそうした想像力を喚起する現場環境と一緒になってこそ価値が高まるのに...。そんなわけで、我々はUターンして大船遺跡、およびその近くの川Gさん推薦縄文温泉で気分直しして帰ってきた。
 久しぶりの定休日は良い一日だった。だが少し気になる事がある。椴法華のsurfsideで川Gシェフのにこやかな出迎えを受けたが、少しの間に何だかとても太ってしまい、その上すっかり無口になっていた。声をかけても返事一つ返らないのだ。白衣姿はまあ良い、しかしその風貌といいあまりのお変わり様...。一体どうしたのだ?
DSC_6189.jpg


 

 市町村合併でムリクリ函館市にされてしまったが、椴法華村はこの山並みの向こう側にあった。あったと書いてしまったが、椴法華は今も存在していて、無くなったのは「村」という誇り高い称号だ。国の都合でその存在を拒否されてしまったが、キラリと光る椴法華の様な地方自治体まで消し去ってしまったわけで返す返すも残念なことだ。
 しかし、ここで市町村合併の話したい訳じゃない。実は昨日あの風雨の中をその椴法華のK口さん夫婦がやって来られた。「二人バル」などと粋な後バルを楽しんで行かれたのだが、その報告が氏のブログにて公開されてるので皆様にもぜひお立ち寄りいただきたく、おすすめする次第。ジャズを好み、詩を吟じ、酒を愛するK口さんのブログはここhttp://pub.ne.jp/kawaguchi/です。山の彼方の空とおくに住む川口さんとこに...明日でも行ってみようかな。
DSC_6147.jpg

 昨日大雨が降ったと書いたばかりだけれど、それにしても今朝の青空はとてもきれいだった。で、つい青柳コートへと出かけてしまったが、もちろんゲートは施錠され、当然そこには仲間の姿もない。予定変更一路ハンドルを函館山山頂へと向け、そこで撮ってきたのがこの画像だ。教会や寺社の立ち並ぶ一角で、右下にギャラリーがあり、大三坂のナナカマドが紅葉し始めのがわかってもらえるだろうか。店主ブログの取材範囲が近場ばかりだった事がよく分かる画像でもある。
DSC_6093.jpg

 昨夜の月天気予想があたり、今日は雨模様の函館だった。早朝はテニスを楽しめたのだが昼頃から降り出した雨は強まったり弱まったりで、土砂降りの時には道行く観光客はそこここの軒先で雨宿りしていた。そんな時、店主のせいではないのに何だか悪い事したみたいで申し訳ない気分になる。しかし、そうした辛い思いをした方がその旅は記憶として鮮明に残る訳でもあり、何でも快適なばかりがよいわけじゃあるまい...と、自分だけぬくぬくと窓のコチラ側から思うのでもあります。
DSC_6068.jpg

 全国何処で観ても、見える月はすべて同じ月でしょうが、今夜函館のはなかなか印象的な月だ。画像は函館午後6時、満月でもないし、そのうえナンだがぼんやり暈んいる。明日は雨かもしれないな。
DSC_6052.jpg

 シャノアールと言えば、ベルエポックのパリを代表するプレイスポットだ。画家や詩人やお金持ちのムッシュやマダムたちが集い、創造のための消費を盛大に行った場として有名だ。今もあるのかどうか知らないが、この名前を聞くと店主もココロ穏やかでいられなくなる。無論パリ等行った事もないが、今より20年以上前の店主、函館ユニオンスクエアの半地下にあったシャノワールで夜な夜な消費のための消費をしたものだった。
 北海道立函館美術館、本日から"陶酔のパリ・モンパルナス"展がはじまった。函館美術館開館25周年記念事業でもあり、何とサブタイトルが"シャノワールをめぐるキャバレー文化と芸術家達"とあるではないか、何はともあれ行くしかない。招待状を握りしめ、9時からのオープニングセレモニーに紛れ込んできた。
 会場の展示だが、大げさに額装される水彩油彩の泰西名画展とは異なり、ポスターや挿絵などの印刷物が大半。そのせいで美術館というより博物館に近いのかもしれない。しかし、高名な画家が特殊な個人のために描いたといった権威的な匂いがそこにはなく、作家が市民に紹介する"食べる飲む歌う踊る楽しみ"が描かれ、横溢していた。そこに流れてるのは「俺も楽しむからお前も楽しめよ」という温かなメッセージで、画期的という言葉は安易に使いたくないが、とにかく企画した方々の姿を思い浮かべて大きな拍手を送る次第だ。
 12月の7日までやってる。皆様にもお勧めしたい。
DSC_5982.jpg

 神戸のKさんがおいでになった。昨年お会いして店主に「ノエイン」というアニメ映画の存在を教えてくれた方だ。聞くところ、ノエインの舞台は函館だがここではもちろん、本州でも僅かの局が、それも深夜に放映されただけだという。しかしシリーズ終了した今も熱烈なファンが函館詣でされてるとかで、かく言うご自身もその一人、鞄から厚いノートを取り出して見せてくれたが、そこには作品の函館に関する画像がたくさん添付されていた。その現場を確認するのが旅の目的だと仰る。
 そのKさんはこの度も突然の訪問だった。朧な記憶で戸惑ってたら「弥生小のKです...」などと仰った。しかしそれですぐ思い出したのだからノエイン効果は確かと言えようか。サプライズもあって、この度はネット上のノエイン友達二人も函館訪問してる事がわかったという。Kさんの携帯電話が鳴り、聞き耳たてたワケじゃないがどうやらそのノエイン友達らしい。店主が電話を代わりギャラリーの位置を説明する事になるのだが、近くの「チャチャ登り」あたりにいるらしい。さっそく店主より熱心に店番してくれるナラさんが出迎えに行ってくれ、目出度くノエインツアー御一行のご対面と相なった。
 Kさん土産のDVDをあらためて鑑賞した。元町公園や大三坂や函館山要塞、ドックのゴライアスくレーン、ヨハネ教会や川越電機、エビス商会はおろか弥生小学校は内部にいたるまで、それもとても正確に描き出されていた。ストーリーは弥生小学校6年という設定の子供達の現在に、15年後の未来が入り交じるファンタジーだが、映画ロケでは幾度も使われたこのあたりが、アニメーションの、それもSF作品の舞台としてとても新鮮だった。おまけにKさんたちの様な熱心なファンが幾度もやってくるわけで、この地には店主の想い以上にファンタステイックな現実が進行しているようだ。
 画像はノエインにも登場する大三坂のベンチ。 
DSC_5961.jpg

 「西部地区の魅力探訪」というのをやっている。ギャラリー店主が案内する函館旧市街地の魅力あれこれで、月に一度の開催。始まってかれこれ5年になる。自分も含めて、行きたいところを皆で訪ねるを旨としてるのだが、それでも同じところを避けるといかに魅力の宝庫旧市街地でもネタが尽きそうだ。しかし、そう言いながらも必ず次なる候補地が出て来るというのがこの地の凄さである。今日の「魅力」は函館公園だった。快晴無風、そろそろ木々が紅葉し始めてるわけで、静かな佇まいを逍遙するだけでも趣旨に叶うだろう。
 従来この国には公園という概念はなかった。せいぜい大名の所有していた庭園を一般開放していた程度だ。欧米に学べと明治新政府が積極的に取り入れたものの一つで、そのせいか発案者は時の函館在住英国領事夫人だとか。しかし、特筆すべきは市民総出で創り上げた我が国はじめての公園という点だ。樹木や橋や巨石などの現物寄付や、モッコ担ぎなど労力奉仕にいたるまで、市民が主体的に参加して創り上げたものなのである。
 園内には動物園や、遊園地も併設されてる。新築された三階建てのビジターセンターが場違いに立派なハコモノである以外、動物園にはさしたる見所はないが、遊園地「こどものくに」は一見の価値がある。緑の立ち木に囲まれたかわいらしい遊具達、そのどれもが長い歴史を感じさせ、鉄板やベニアという素材に幾度もペンキを塗り重ねた質感にも感動させられる。とりわけ「かんらんしゃ」はどうやら国内最古のものらしく、大人は料金250円を払ってぜひ体験していただきたい。
 公園内には博物館もあるし、旧図書館や開拓史の博物館だった魅力的な建物がある。とりわけ開拓史博物館には、ケプロンたち北海道開拓使のお雇い外国人が持ち込んだ佇まいが今も残り、外の景色が反射した窓ガラス越しに覗くとそんな時代のそんな人たちが軽やかに踊ってるのが見えた気がした。
DSC_5935.jpg

 例年この時期に開催するのが川眞田さんの藍染め作品展だ。本場の四国徳島の生まれで、今も拠点は吉野川沿いの工房。だが、かって北海道旅行したとき大沼の風景に魅せられ、駒ヶ岳の麓にも第二の拠点を構えた。「徳島の夏は暑くてかなわんのです」とか仰りながら毎年緑の森に囲まれた別荘地で豊かに過ごしておいでだ。
 コシノジュンコさんのパリコレクションを一手に引き受けてる川眞田さんだが、水質や気温で微妙に変わる天然藍の染め技術は一級品、間違いなく大家なのだ。しかしその物腰は柔和かつとても謙虚だ。まったくもって、稔るほど頭を垂れる稲穂である。お会いするたび、店主におおいに不足してるモノを思い知らされる。
 川眞田さんの「藍型絵染め」だが、藍の濃淡で表現する絵画というか、版画をイメージするとわかりやすい。原画を数枚の型紙に分解し、一枚一枚糊伏せし、染め、水洗いという行程を繰り返す。最も濃い部位は10回くらい染めてるそうだ。素人目には8回も10回もその違いは殆ど識別できないが、しかし出来上がりの輝きが違うと仰る。手抜きに次ぐ手抜きが跋扈する現代、深く反省させられる言葉だ。
 画像の作品は川眞田さんの藍型絵染め「森の雪」。そう言えば、昨晩旭川あたりで降雪があったそうだ。とうとう来たか...

川眞田 弘「藍型絵染め展」
10月1日から10日まで
10:00open/19:00close
水曜定休 
DSC_5870.jpg




















 午後6時の青柳町電停あたりだ。人通りも走行する車も絶えて無く、街路灯がとても淋しげである。右手が函館公園で左手は常住寺、電車軌道もこの先、谷地頭に向かって消えて行く。つまり下り坂になっている。
 ここの電停で、かって二谷英明サンが一升瓶を担いで登場する日本酒のTVコマーシャルがつくられた。湯の川からドック前、あるいは谷地頭を結ぶ函館の電車だが、唯一アップというかダウンがあるのがこのあたり。望遠レンズで構えていれば、坂のむこうに消えていったり、あるいは空を背景にゴトゴト市電が姿を現すというシーンが撮れる。
 今日は寒い一日だった。どこかで降雪があったに違いない。立待岬方向の上空には鋭い三日月が望め、こんな夜は店主も辛口の日本酒を呑みたくなる。そろそろ温めの燗でかな。
DSC_5847.jpg