地球の裏側で豪華客船が沈没した。そこでという訳じゃないけれど、新造船の進水式を見物してきた。「函館どっく」は東京以北最大にして最古の歴史をほこる造船所で、あの「男爵芋」川田龍吉も社長を務めた名門なのである。

寒さ厳しき函館と書いたばかりだが、今日の太陽は久しぶりにご機嫌だ。どっく正門から徒歩およそ20分、5号ドックには出来たてAtrantic Laurel号がくすだまと紅白布に飾られ旅立ちを待っていた。傍のヘルメット着用青年に質問してみたら、重さ32000トンの輸送船で、製作所用日数はおよそ3か月だとのこと。見ればヘルメットに「生き残りをかけ、限界に挑戦」ステッカーが貼られてた。なるほどと納得したが、それにしてもでかい。飛行機は夢を具体化したというが、船は意志を実現したものだろう。
君が代が鳴り響き、シャンペンに続きくす玉が割れ、軍艦マーチとともに巨体は函館湾へと滑って行った。



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