それに比べれば金融メルトダウンなど愚かな人類のなせる業、おそるに足らず。数字の羅列をひたすら有り難がってたけれど、全部偽証文だったと思えば良いだけのこと。強欲に紙切れを貯め込んでた400人だか4000人だかに、残念でしたねえと慰めてやれば良い。
それら所謂マネーに「賞味期限」をもうけた上での話だが。
ヨハネ教会に新らしく備えられたステンドグラスです。
With all hearty greetings and the best of good wishes for a merry Christmas.
あいにく不景気であいにく小雨模様の函館だが、それでもクリスマスはやってくる。ハリストス正教会の窓に明かりが点り、ヨハネ教会の屋台ではホットワインやウインナソーセージやシフォンケーキが100円だ。サンタ衣装のお嬢さんにカメラを向けたら知り合いでピースサイン。ポケット探ったら硬貨が二枚出てきて、暖かいワインと焼きたてソーセージが買えた。
メイヨアデイ ビー メリー&ブライト...!

今は止んでるけれど、午前中はしずかに粉雪が舞っていた。その雪模様のなかを散策してきたのだが、お隣、ヨハネ教会の構造物と一体となってる巨大十字架に、クリスマスリースが飾られているのを発見した。小さく見えたけれど、そばで見ればけっこう大きいものに違いない。今年赴任してきたばかりのF牧師さんだが、その穏やかな笑顔を思い出し、意外に大胆な性格なのかもとあらためて思った。

25日のクリスマスまで函館港から花火が上がる。クリスマスファンタジーという観光イベント演出のひとつだ。花火はこのギャラリーからも見物できるのだが、待ちかねるというほどでもなく、突然のバチバチはじけるような音で午後6時を知らされたりしている。
いま、元町の教会たちはそれぞれが聖なる装飾でドレスアップ。若いカップルたちが三々五々訪れては、願い事なのか懺悔なのか神妙な表情で教会巡りしている。今日は朝から小雨、雨も雪も根は一緒とはいえ、元町のギャラリー店主は何となく申し訳ない気がしている。
ヨハネ教会敷地の一角も店主定点観測地のひとつ。カトリック教会と大三坂が目の前に眺められ、冷え込んできた午後4時カラスも観光客もそれぞれがそれぞれの方向に向かって帰って行く。

今年のヨハネ教会前庭クリスマスツリー画像である。昨年より幾分雪が少いかも知れないが、ツリーの位置や飾る電球の数にも変化はなさそうだ。たしか信州土方陽さんお好みだったと思うのだが、今年も気に入ってもらえるかな?
雲間から満月が姿を現した午後7時の函館。

画像は元町配水場の桜だ。遠く横津岳や駒ヶ岳山頂には降雪があり、こちら北の開港都市函館も晩秋から初冬に一歩踏み込んだ。
大病から帰還した知人の工芸家が、この季節、つまり冬に近い晩秋のこうした静かな佇まいが大好きだと語っていた。いわれて眺めてみると、美しくて潔い諦念といった気配が漂い伝わり素直に納得できた。楓、漆、銀杏やカラ松など落葉樹はどれも美しいけれど、なかでも桜が好きだ。その桜だが、見事な花を披露する木は紅葉もまた豪華である。
このところ快晴無風、おだやかな毎日が続いてる。枝から離れた銀杏や桜の枯葉などまっすぐそのまま地上に着地する。今日もそうなのだが、昨日の定休日もそうだった。
これはそんな昨日のはなしだ。店主は函館の隣まち北斗市のある寺を訪ねた。実は土方歳三が秘かに葬られた寺があるという、誠に聞き捨てならぬ情報に接したのだ。新撰組副長として名を馳せ、五稜郭戦争で壮絶な討ち死にを遂げた土方だが、その眉目秀麗な一枚のポートレートのせいもあり今でも大変な人気者である。事実であれば全国から"歳さま詣"で沸き立つであろうこと間違いない。
司馬遼太郎"燃えよ剣"では、武士時代の終焉を悟った土方は部下数名を従えて新政府軍陣地に切り込むが、函館市若松町、かって一本木と呼ばれた場所で敵の銃弾に倒れる。しかしその後がわからない。誰かが敵の手に渡してなるものかと運び去ったであろうが、その遺体がどこに運ばれ埋められたかが未だ解っていないのだ。
聞いた情報によれば、土方に続いた一人がこの寺に縁のある剣の達人、彼が秘かにこの寺まで運び埋葬したというのだ。近くである峠下や中山峠でも土方は獅子奮迅の活躍した歴史事実もあり、これはありうる話に思える。
あいにく住職は留守、そこで妻女と思われる方に訊ねたのだが「ここは200年の歴史ある寺ですが、そんな話しは聞いたこともありません...」と言下に否定された。旧幕軍やその協力者、内通者に対する新政府軍による血の粛清があったわけで、女性のそのあまりにもきっぱりとした言葉と態度に、「他言は無用ゾ、おのおの方!」といった言い伝えが今も連綿と続いてるらしい気配も...。墓地を歩いてみたら刻字も苔に埋もれて読み取れない古びた石碑もアチコチあって、そこらからもなんだか土方さんの声が聞こえてきそうで...。